■旅日記*中村恒夫、花の都パリを行く
初めてのパリで花屋さんめぐりに行きました!
フローリスト憧れの地花の都パリで念願の花屋さんめぐりをしました!

パリ/エッフェル塔 成田から飛行機で飛ぶこと12時間。延々と続くシベリアのツンドラ上空を渡り、フローリストの憧れの地パリにやってきました。パリといえばエッフェル塔と凱旋門ですが、目的はパリのお花屋さんを見ること。色んな体験が出来ましたが、かいつまんでご紹介しますね! パリ/凱旋門
パリの町並み 滞在はパリオンリー。ルーブル美術館に程近いホテルを拠点にパリ散策を開始!パリの街は凱旋門を目指して道が続いているようなつくりで、凱旋門から東のバスティーユまで直線距離にして7〜8kmくらい。車の運行も基本的にはシャンゼリゼ通りのようなメイン通りで、トラックのような大型貨物は町の地下道を走っている。花屋さんの多くは裏通りにあるので結局足が命の散策になりました。 パリの町並み
パリ/セーヌ河 パリはセーヌ川に始まりセーヌ川に終わるといわれる?シュリー橋からイエナ橋の約8kmには世界遺産が、川沿いにルーブル、ドラクロワ、オルセー等の美術館、ノートルダム等の中世建築物、エッフェル塔等の近代建築物が点在しています。遊覧船もありましたが今回は乗れずじまいでした。
パリ/メトロ 歩き以外ではメトロが便利。気まぐれにどんどん歩いて疲れたらメトロに乗ってホテルに帰る、というふうによくしていました。チケットの買い方が日本とちょっと違って区間別料金でなく1枚1ユーロ程度でどこまででもOK!入り口のみチケットが必要で出口では返却はなし。但し乗り換え乗り継ぎが出来ないので、路線が変わったら新たにチケットを買いなおさないといけません。便利でもあり不便でもあり? パリ/メトロ

ランジスへ見学に行きました!
ヨーロッパの台所ともいわれるランジス市場は肉、魚、野菜、果物、乳製品などの食品から花までありとあらゆるものを扱う232haもの巨大市場。パリの南16区のオルソー空港近くにあります。

ランジス市場花部門
ランジス市場花部門
花屋だけに花部門の仲卸さんには興味津々!ランジスの花市場では日本のようにセリのシステムが無く。それぞれの仲卸さんが独自の取引で販売しています。(ちょっとへぇーと思った)それだけに扱う品も、雰囲気も、各問屋さんの個性がよく表れていました。
■花生産地の多くはオランダが主流。ランやアンスなどのトロピカルフラワー等は日本と同じように東南アジアから輸入しています。花そのものは日本とほとんど変わりありませんが、仲卸といえディスプレイがきれい!普通の小売店なみのディスプレイセンスに関心!日本ではフィラフラワーの定番のかすみ草、スターチス等は見られませんでしたが、あちらのフィラ定番はアルケミラ。大振りの花が目立ちます。ちょっと面白いのがヒマワリと共にフリージア、スイトピーがこの6月の季節にあるところ。日本ではあたりまえにある菊系のものが少なかったように思います。でもダリアなどは沢山あった。トルコキキョウやガーべラがあまり目につかなかったことが印象に残っています。もしかしたらシーズン外かあんまり人気の無い花なのかな? ランジス市場花部門

■なんせアジサイがものすごい多い!種類も数も半端ないです。きっとフランスの人はアジサイが大好きなんでしょうね。それだけにキレイなのが多かった!アジサイはだいたいオランダからのものなので、当店でも見慣れているといえばそうですが、花色の多彩さ、数に圧倒されます。オランダのアジサイの特徴は額が分厚くて大きい、そして色が豊富!渋系の色からクリアなものはすごくクリアで・・・僕、個人としては国産、ニュージーランド産のより好きです。
ランジス市場花部門/アジサイ ランジス市場花部門/アジサイ ランジス市場花部門/アジサイ ランジス市場花部門/アジサイ

ランジス市場花部門/芍薬 ■アジサイと同じく種類、量共に多いのが芍薬。日本ではシーズンは過ぎたけどあちらには結構ありました。そしてナポレオン后妃jジョゼフィーヌをはじめ多くの貴人が愛し巨万の富をかけて開発したといわれるバラはまさにフランスを象徴する花!当然ながらアジサイ以上の品種の多さでした。
■スタイリッシュでモダンなフォルムのカラーも人気のある花のようです。ブラック系の渋い色が圧倒的に多かった。ちょっと変わったところではブラックのアリウムなど。シックなブラック系の花はデザインに欠かせないようですね。
■リューカやピンクッション等のエキセントリックな花も好まれているようでした。こちらは多分日本と同じくニュージーランドからの物だと思う。ヨーロッパらしいアーティチョークのグリーンはちょっと変わってるけど向こうでは馴染みのあるものなのかも。
ランジス市場花部門/バラ ランジス市場花部門/バラ ランジス市場花部門/カラー
ランジス市場花部門/リューカデンドロン ランジス市場花部門/アリウム ランジス市場花部門/アーティチョーク

ランジス市場花部門 ■トロピカルフラワーやリーフをメインに扱う仲卸さんもある。大きく個性的な形のトロピカルリーフや不思議なトロピカルフラワーはパリフローリストに人気。モダンでスタイリッシュなデザインに使うようです。ゴーギャンがタヒチに心を奪われたようにパリフローリスト達も南国に思いをはせているのかな?
ランジス市場花部門 ■今、パリフローリストの間でブームなのが竹。アレンジに使うのはもちろん、オブジェのように組み合わせて花をあしらったり、アジアのニュアンスをパリのニュアンスとそれぞれのパーソナリティと巧みに融合させて使っているそうです。そういえばラン鉢のようなものも、盆栽のような禅スタイルに仕立てるのが流行っているとか・・・
ランジス市場花部門

ランジス市場花部門 ■ドライフラワー専門仲卸。ショップPRに個性的ディスプレイの重要性を重んじるパリの商業にセンスを駆使する花屋さんのディスプレイには欠かせない素材の色々。自然のオブジェのような枝や、ドライの実物

■アートフラワーもあったアレンジして商品化しているものが主流。基本的にはそんなに大きな需要はないんじゃないか? 既製アートフラワーを飾ってるところ見てないなぁ・・・
ランジス市場花部門 ■ずらりとならんだ花器はガラス製が人気の様子。デコラティブな形のもの、色ガラス等様々。これからのトレンドか?メインコーナーに分類わけして陳列していた。しかし、そもそもトレンドを追求するなどという陳腐な考え方があるようには見えないし、確かに注目度UPなんていうのはあるが・・・
まだ市場だけじゃわからないなぁ・・・・?
ランジス市場花部門 ランジス市場花部門
ランジス市場花部門 ランジス市場花部門 ランジス市場花部門



クロードカンコー
モダンな外観は故クロードカンコー時代
そのままですが、
明らかにトゥネリエ夫妻のカラーが
現れている
■クロードカンコー
日本でも活躍されていたデザイナー、セドリック&エマ・トゥネリエ夫妻が現在オーナーを勤めるパリ16区の名店。トゥネリエ氏は数多くの業界紙でも出ておられたので日本のファンの方は多いと思います。伝説的フローリスト、クロードカンコー氏のショップを継承するにふさわしい美質と感性をはなつお二人のセンスに感動!そしてとにかく明るくてすっごく素敵なお人柄でした。モノトーンの内装にロマンティックで主張の強いフォルムの花がセンスよくディスプレイされてて、花は皆通りに向けて歩く人に見せるようにディスプレイしているのが印象的でした。オフィス街的地域でほとんどTLEでのおまかせ注文ということはお客様から絶対的なご信頼を得ている証拠でしょうね。
クロードカンコー
アレンジ製作するところを見せてくれた
エマ婦人。才色兼備なのに気さくで優しい
すごく素敵な女性でした。
クロードカンコー
快く写真に応じてくださった氏。バラが好きだそう。新生クロードカンコーを誕生させ多くの顧客に支持される美男美女カップルは日本語も堪能な知性とあたたかい人柄が素敵なフローリストでした。
■セバスチャン・
マンゴジ
雑誌などでも話題のフローリスト。彼の作るデザインが素敵だなぁと思い、ぜひ行こうと思っていました。想像どおり外観からしてすでに素敵をかもしだしているお店です。ジョルジュサンク通り沿いの生活道路のような立地で間口も狭く建物も古いのですがそれがよりぴったりな雰囲気。店内のディスプレイも夢のように美しく、物語のワンシーンのようにストーリーがあるように感じます。話題の竹を使って個性的かつロマンティックなディスプレイで道行く人を骨抜きにしているお店でした。
フランスの建築法により外観は変えれませんが、こんなにも個性豊かなお店が作れる感性に脱帽です。
その日の店内のお花はピンクが主流でしたが、(それもやわらかーいパステルピンク!)とにかくロマンティックでノーブルでエレガント。
セバスチャン・マンゴジ
セバスチャン・マンゴジ
セバスチャン・マンゴジ 突然の訪問でしかもお出かけ前だったのに、快くしかも気さくで暖かく対応してくださった氏。多くのフローリストの中でも人気者だというのがうなずけます。
働いている人がたまたま日本人女性だったのでちょっとほっとしました。何しろ全くフランス語がしゃべれませんから・・・

■お三人とも明るくてとっても優しくてすごく気さく。全然かしこまったり、斜にかまえてるところがなくて、とっても楽しい気分にさせてくださいました。優れたフローリストとは優れた人格者でもあるのかもしれない・・・なぁんて気になってしまいました。


パリ/花屋 ■パリの街を散策中に、色んな花屋さんを見つけました。本当に沢山の花屋さんがあるりました。そのなかのほんの一部ですがご紹介!
散策というよりいつも迷っていました。迷うたびセーヌ川をめざしては又うろうろ・・・花屋さんが多く集まっている地区は 2、3区 8区などの、やはり人が多く集まる場所ですが、ふっと外れたところにも素敵なお店があったりします。
パリ/花屋 ■お店を訪ねる時はとりあえず『ボン・ジュール!』と挨拶するのが礼儀。全く言葉の通じない日本人の僕でも、どのお店も快く見学、撮影させてくださいました。
■どこのお店にも共通しているのは
1、外観がアンティーク
2、間口が狭い
3、正面ウインドーのディスプレイが充実している
等です。建築法により外観工事は出来ないことから何年も立っている建物そのものを使うのです。街や地域ぐるみの外観に対する意識からか、民族的な伝統かはよくわかりませんが、そんなわけでなんともいえない重厚な雰囲気があるのですねぇ〜。
内部は奥に長く10坪前後の小さい所が多かったですが、ほとんどのお店には地価があって水揚げなどの裏作業スペースとして存在しています。だから店内が散らかることがないのでしょうね。
パリ/花屋
パリ/花屋
パリ/花屋 パリ/花屋 パリ/花屋

■花器や雑貨などの商品も各店舗が個性的にディスプレイしています。正直いって日本でも別段珍しくもないものが、それぞれのアプローチによって全然違う感じに見える。ここ、とっても勉強になる感覚です。
パリ/花屋 パリ/花屋 パリ/花屋
■給水スポンジを使うアレンジは無し。ほとんどが花束になっていて、水をはった花瓶にぽこぽこ入れられて売られています。だからパリのラウンドスタイルは側面にも花がしっかり詰まっていました。
パリ/花屋
■色や花の好みはそれぞれあるものの、どこも同じような花を揃えているのは、断然、日本のほうが花の種類が多いからだと思いますが、同じものが同じように見えない所が天晴れ!
それぞれの花屋の個性をきちんと表していて、それを好むお客さんが求める、というように売り手にも買い手にも個人の尊重がなされているところがいかにもパリらしい。誰でもかれでもに売ればいいという発想も商売には大切だけど、それだけだと『結局お客さんの求めているものになってるか?』という疑問が必ずついてきます。
いいところばかりではないかもしれませんが、パリの花屋さん達の考え方は実にシンプルで自然に感じられました。
それに、これは僕の勝手なイメージだったのですが皆さん全然ツンとしたデザイナーにありがちな高飛車な雰囲気が全くない!真のデザイナーとはこういうものなのか、あるいは純に花屋なのか。
パリ/花屋
パリ/花屋

■バラだけを扱う店なんていうのもガンガンありました。きっとオーナーはすごくバラが好きなんですね。鉢や切花だけでなくバラのモチーフの小物や書籍まで花屋というよりバラショップ。女性陣へのお土産にこのお店でローズウォーターやオードトワレなどを買い求めました。とってもエレガントなマダムがお相手してくれて、お勧めのものを教えてくださいました。
パリ/花屋
パリ/花屋 パリ/花屋



パリ/菓子屋 ■華やかなローズピンクの花の山。花屋かと思いきやお菓子屋さんだった!
花屋に限らず何でも魅力的なPRを視覚的に訴えようとしている。ディスプレイは無駄な経費なんて考えは毛頭ないようです。
■小さなシュークリームを積み上げたもの。シュークリーム一つ一つにチョココーティングや砂糖菓子などのデコレーションがしてあって。甘党じゃなくても興味わきそう。 パリ/菓子屋
鱒などの川魚料理が以外おいしかった!魚料理は日本が一番なんていう思い込みがあったからよけい。皮がぱりっとして中がふんわり。バターが濃厚なソースもおいしかった。
肉は大好きで食べるなら『シンプルが一番』と思っていたのにパテが気に入りました
パリの食事 パリの食事
■美食の国フランスなんていうけど、僕はどちらかというと和食派なのでうーん?と思っていたのですが、おいしい食事にいつもありつけました!(運がよかった良かったのかもしれないけど)甘いものはあまり得意じゃないのですがデザートはいつもおいしかった!フォンダンショコラとスフレが特に気に入りました!
パリの食事 パリの食事

■ヴァンヴの蚤の市をぶらついてきました。庶民的な雰囲気でフリーマーケットとか縁日みたいな感じ。花を売ってる店もありました。束でガサッと売っていて、市場の卸値にちょっとのせた位の価格で販売。棘や葉の整理などはなんにもしてなくて、ラッピングや花束などにもせず何にもなしだけど安い。僕はここでおばあちゃんがやってる店のシーズニングソルトを色々買いました。塩そのものもおばあちゃんが精製してる。 パリ/蚤の市
パリ/蚤の市 パリ/蚤の市
■せっかくフランスにいくんだから歴史建造物ぐらいみてきたら?と進められていたのでルーブル、オルセーの美術館とノートルダム、シャルトル、アンバリッドなどちょっとは見に行きました。
ルーブルなどの美術館は撮影OKで模写をしている人も沢山いたのがびっくり。日本なら国宝や世界遺産は門外不出か見れても撮影、写生も禁止なのに。但し入り口にてボディーチェックはうけました。
ルーブル内のカフェのサンドイッチを食べろと進められていましたが、満員で食べずじまい。残念!
旅行中パリの街ではミュージックフェスタをやっていたそうで、各カフェと提携しているアマ・プロのミュージシャン達がそのカフェの前でストリートライブを行っていました。ジャンルも色々でにぎやか。見ず知らずの人と踊ったり、写真を撮ろうと苦心してるおばあちゃん(観光客みたい)の手助けをしたりと言葉は通じなくてもコミュニケーションを楽しめました。
■予算の関係上レストランは数えるほど、しかもランチでしか行けず、居酒屋のようなワインバーでもっぱら夕食はとっていましたが、マリネやサンドイッチ、オムレツなどのおつまみがことのほか上手いしボリュームもあって満足!1日だけバーラウンジで贅沢しましたがちょっといい気分になれました。 ■バカラ美術館にも行ったのですが分不相応で買えずじまい。ガラスショップで相棒に酒を飲む時用のおしゃれなリキュールグラスを買いました。

今回パリに行ったことで改めて日本の素晴らしさも実感できました。
先ず日本の花の生産レベルはすごく高く生産者さんたちがいかに努力しているか・・・
を再認識するくらい。
花の種類もずっと少ない、にもかかわらずパリの花屋さんは非常にアクティブかつ個性的で実に自由で明るくやっています。
日本は同業者同士はやや敵対心を持っている感があるのに対し、向こうは花屋さん同士が仲がいいように思います『あの店はあの店、うちはうち』というような徹底した個人主義と個人の尊重がなされているせいか『花屋にはこれが定番、花屋のやり方はこれがセオリー』的な物がほとんど存在していません。
これはとってもいいことだと思います。だってお客さんからすれば色んなものがあるということですからね。
パリの花屋やフローリストが世界中の花業界が常に注目するトップリーダーなのはこの精神なのではないか?そう思った旅でした。

これまでも自分がいいと思うものをお客様にお勧めしようと思っていましたが、商売として考えると時々『これでいいのか?』と、思うこともありましたが、迷いが完全に吹っ切れた気がします。後は日本の花生産の努力を無駄にしないためにも、もっともっと腕を磨いて精進だな・・・と気合が入りましたね。

又、フランスの人も日本人と同様『花=贅沢品』と考えていますし、そんなに安いものでもない(卸相場でいえば日本よりちょっと高いかな?)ですが、『安く贅沢が味わえる』といった表現をしておられました。
そこにはブランド品やあらゆるものが非常に高価でめったに買えない(フランス人は傘でも一生物として購入するそうですよ)といったこともありますが、多くの人がしっかりしたアイデンティティーを持っていることも関係しているのかも。
それが証拠にさぞトレンドの街と思っていたのですが、『今の流行』を感じさせる格好をしている人がいないんですよ。
皆自分の好きなものを身につけ、自分の好きな格好をしてて・・・・
日本のように流行や宣伝に踊らされて消費ししまっている感じがあんまりしない・・・
だけど贅沢もしたい、彼女にもいい格好したい・・・そんな時花は安上がりじゃん!てな感じだそうですよ。

違う土地に行くと色んなところで刺激を受けます。今回行ったフランスはいつか行きたい所でした。文化や民族の違いは頭ではわかってても実際目にすると驚くことも多い。
相棒の親父さんが翻訳関係の仕事からフランスには造詣が深くフランス留学やフランスの人のホームステイ等で馴染みあるものと思いますがそれでも『分からん』と思うところがあるそうです。逆に向こうから日本人を見てもそう思うでしょうね。それを楽しめればとってもいい物が生まれそうだし、嫌悪すれば敵愾心に変わるのかも・・・でも今回の旅で出会った人、皆やさしく素敵な人とめぐり合えましたおかげで『Bonjour(こんにちは)』『Merci(ありがとう)』だけでこの旅をやれました!


トップページに戻る